同意
「そうですね。そういえば、授業の時もいたし。人権教育論のように隔年開講の授業もあるから、一緒に受ける授業も結構あるね」
同意を求める声に、幸一は反射的に何度か頷く。
「なら、テストとか授業とかわからない事があればマナに聞けばいいな。これで単位の心配はいらねえ」
「このバカが。彼とお前の頭脳を一緒にするな。二年連続で倫理学を落としているお前と」
「うっせえ! そういうテメェも倫理は落としただろう。しかも去年は受けてもいねえ腰抜けに言われたかねえ!」
「受ける必要性が無い、必須単位ではないのだから。第一、七割の受講者を落とす『七割落としの長谷部』の授業に、猪のように正面から向かってどうする? 腰抜けではなく、戦術的撤退と言って欲しいものだな」
二人の険悪な空気に、幸一がオドオドと見比べ始めるが、そんな彼の肩をマナが軽く叩く。
「それじゃ幸一君連れて、生徒会室に行ってくるね。マナちゃん、いざとなったら二人を催涙ガスで眠らせていいから」
「は〜い」
無邪気な返事をするロザリアを残し、マナと幸一はサークル室を出た。
「あ、あの……催涙ガスって、なんですか?」
「ロザリアちゃんは、そういう物を発生させる爬虫類とか両生類とかがベースだから、神経系を乱すガスを出せるんだよ。何しろ、フランクさんとジェスさんがまともにケンカしたら、床とか壁とか壊しかねないから……一年前は先輩が止めてくれたんだけど」