ゴミ
「でも、どうしてこんな夜にゴミ拾いなのかな? 夕方にやった方がいいだろうに」
「うーん、授業の関係じゃないかな? 教育学部は無いけど、他の学部は夜間の授業もあるし」
「ごめーん、お待たせぇぇっ!」
遠方から、それとわかるほど目立つ白いコートを来たマナが大きく手を振っている。手にはゴミ袋とデレキを持っている。そして、隣りにはジェスとフランクと思しきい人物。
「待つのはいいんですけどぉ……出来ればお昼にして欲しいなぁとあたしは思うんですけどぉ」
ロザリアが唇を尖らせて抗議。すると、マナがガックリと肩を落とし、口を、
「マナのベースを考えろや。日中でも全身を覆う、厚いコートを着ている理由もな」
開きかけたが、それを遮る形でフランクが窘める。
「え? 先輩のベース……コート……あっ!」
するとロザリアは何かに気付いたように短い叫びをあげた。
「ごめんね、出来る限り日の光は避けたいんだよ……。長時間外にいると、皮膚が爛れちゃうから」
「それに、僕達にとっても紫外線は皮膚ガンを誘発する遠因になる。まあ、紫外線は適度に浴びなければいけないものでもあるのだが……加減が難しいね」
ジェスはそう言いながらゴミ袋とデレキを各自に手渡していく。
「マナ君。いつまでも落ち込んでいないで。どこからゴミを拾っていくんだい?」
「え……あ、そうですね、すいません。……まずS、M、L棟の周辺を掃除してから、余裕があれば図書館の付近を。燃えるゴミは私とフランクさんでやるから、燃えない方はロザリアちゃんと幸一君で。じゃあフランクさんはロザリアちゃん連れてL棟の方からお願いします。私達はS棟からやっていきますんで。ジェスさんはペットボトル。キャップはちゃんと外して下さいね」
「了解」「じゃあやるか!」「は〜い」
三者三様の掛け声をあげ、三人は散らばっていく。特にジェスは『機動力が売り』というだけあって、もう姿が見えない。
「じゅあ燃えないゴミはよろしく。たまにガラスの破片が落ちてるから、気を付けてね」
「あ、はいっ……」